いつか読書する日

eigadojo2005-07-08

こんな映画を観た。


「独立少年合唱団」でデビューした緒方明監督の5年ぶりの新作。
地方都市を舞台にした50代の男女のラブストーリー。
主演の田中裕子、岸部一徳がいい。
チャラチャラしたテレビの恋愛ドラマにない「ホンモノ感」がこの映画にはあります。
最近ヒットしているテレビ局が作る映画の「世界観の小ささ」に辟易していた師範代としては、じっくりと作られた「映画」に拍手を贈りたい!
小さな街で起こる小さなドラマを描いた作品ですが、映画そのものの風格は大きな作品です。


師範代的鑑賞ポイントをいくつかあげますと・・・・・・・・。
田中裕子が早朝牛乳配達をするシーンが随所に登場しますが、「何年もこの仕事をしているんだろうなぁ・・・・」と思わせる仕草の確かさ!
同じくスーパーでレジを打つ手の動きにも感動しました。
こういう細部をおろそかにしない映画は久しぶりです。
「誰も知らない」http://d.hatena.ne.jp/eigadojo/20040825)のレビューでも書きましたが、「時間」を描く映画がもっともいま贅沢な映画なのだと師範代は思います。

舞台は、どこと限定されない「地方都市」という設定。長崎でロケが行われていますが、坂の風景を巧く生かしつつも、「観光地長崎」っぽく見せない画面設計がすばらしいです。
こういう大人の映画がもっと作られる日本映画界であってほしいと思う師範代であります。


http://www.eiga-dokusho.com/