監督の仕事は立ち位置決め!

eigadojo2005-07-09

いつか読書する日」の初日、舞台挨拶のため緒方明監督が熊本入りしました。
長崎ではラジオのレギュラー番組も持つという緒方監督、話がうまい!声がいい!
多くのスタッフを統率するためには、この2つのポイントは重要なんだなぁ・・・・と感じました。


いつか読書する日」に関しても、いくつかの撮影秘話を話してくれて、かなり興味深かったです。
「映画監督の仕事の中でかなり重要なこと。それは、画面の中で俳優の立ち位置を決めることです。」という話には、目からウロコが落ちた思いでした。
「演技は俳優がやる。撮影はキャメラマンがやる。音声は録音部がやる。しかし、画面の中で役者がどういう立ち位置で会話するかは、監督が決めるしかない!」
たしかに、すぐれた映画監督は、俳優の立ち位置に関して、独特の感覚を持っている気がします。
黒澤明小津安二郎ヒッチコックキューブリック・・・・・・すべての巨匠に相通じるこの特殊能力!
特に黒澤映画は、映画のどの場面を切り取っても、俳優の立ち位置が実に効果的に計算されています。あらゆるカットでの登場人物の力関係、気持ちの動きがすべて立ち位置に反映されているのです。
これから映画を観るときは、監督のそういう苦心にも思いをはせてみましょう。
またひとつ映画を観るときの楽しみが増えた!