この胸いっぱいの愛を

eigadojo2005-10-07

こんな映画を観た。

原作・梶尾真治(熊本在住・通称カジシンさん)、監督・塩田明彦の「黄泉がえり」のチームが再結集して送るこの秋の注目作。
原作の「クロノスジョウンターの伝説」から「過去に戻る」という部分のみを抽出して、映画的に再構成しているので、梶尾さんの原作ファンにとっては、「これホントにクロノス?」という部分もあるのですが、それはそれ、原作に忠実につくればいい映画になる訳ではないってことは、「エイガドージョー・ドットコム」門下生の諸君だったら十分御存知のこと。
要は、原作の精神をどう生かして映画にするかってことだと師範代は思う訳で・・・・・・・。
結論から言うと、塩田チームはカジシンさんの小説へ限りないリスペクトをもって映画を作っていると思います。
特に、和美ねえちゃん(ミムラ)への少年ヒロ(富岡涼)の憧れを、さわやかに描いている点に好感を持ちました。
こういう関係を描くと日本映画ってどうもエロっぽくなってしまうことが多いんだけど、富岡クンの好演もあってふたりのくだりの描写が実によいです!

師範代的には、映画を2度観ることをオススメします。
2度目の方が、鈴谷比呂志(伊藤英明)の気持ちが実によくわかるように作られています。
(つまり鈴谷は1度ヒロとして体験したものを、クロノスによって再体験させられているから・・・・・)
何度も繰り返し観られることを前提にした塩田演出の冴えを感じさせる1作でした。

http://www.kono-ai.com/