四日間の奇蹟
こんな映画を観た。
主演・吉岡秀隆&石田ゆり子。監督は「半落ち」「チルソクの夏」の佐々部清。
物語の中で重要な位置を占める楠本千織には1000名を超えるオーディションにより抜擢された尾高杏奈がキャスティングされています。
佐々部監督らしい丹念な描写が泣かせる映画前半がすばらしい出来です。しかし、後半のファンタジー・パートがどうもしっくり来ていない感じ。
結局一番おいしいのは、本筋とは離れたところの物語の助演・西田敏行だったりします。(やっぱこの人底知れず巧い役者です。もっとこの巧さが評価される作品に出てほしいです。)
前半部分だけでも十分泣けるのだから、余計な描写を剥ぎ取ってシンプルな話で泣かせてほしかった気がします。巧い監督だけにその巧さが裏目に出たようです。
尾高杏奈は新人とは思えないすばらしい演技を見せます。東映製作の映画でもありますので、日本アカデミー賞の新人賞は確定でしょう。
ロケされた山口県にある角島(つのしま)の風景がいいです。四方を海に囲まれた周囲約17kmの小さな島が、映画の雰囲気にぴったり。ちなみに、山口県は佐々部監督の故郷です。