殺人の追憶

at 2004 04/19 00:58
殺人の追憶 [DVD]
こんな映画を観た。

2003年の韓国ナンバー1ヒットとなり560万人の動員を記録したという話題作。

シネカノンの配給で日本公開となりましたが、師範代の地元・熊本までは残念ながら来ませんでした。仕方なく福岡のキャナルシティまで観に出かけた訳です。

常連の凹さんをはじめ多くの人が絶賛していたこの作品、かなり期待度が高い中での鑑賞だったですが、期待以上の完成度に大満足!電車代使って観にいった甲斐もあったってもんだよ!

舞台はソウル近郊の農村・ファソン。1986年から6年間の間に起きた連続猟奇殺人事件。実際に起きたこの事件を元にしたフィクション作品ですが、とんでもないパワーを持った傑作に仕上がっています。

監督は、デビュー作「吠える犬は噛まない」(韓国題:フランダースの犬)に次ぐ2作目という驚異の新人・ポン・ジュノ監督。

出演は、「シュリ」JSA」「反則王」と幅広い作品に出演しているソン・ガンホ上川隆也佐藤浩市といった感じのキム・サンギョン。この二人の刑事が、反目しながらも「ファソン事件」の真実を追う姿が描かれます。

とにかく映像の迫力がすごい!悲惨な事件が続くのにどことなくユーモラスな感じの人間描写は、全盛期の黒澤明今村昌平を思わせます。(パンフには、『黒澤明の孫が日本で生まれず韓国で生まれた。まいった。』という阪本順治監督のコメントが・・・・・・)
さらに事件の進行と二人の刑事の感情の変化をシンクロさせる構成がみごと!
全カットをポン監督が絵コンテを描いたという緻密な画面構成も、前もって準備した感のあるソリッドなものでなく、あくまで登場人物の感情に寄り添うかたち。自分の作る映像に酔っていないとこが、この監督なかなか大物です。

ネタバレとなるのでストーリーには詳しく触れませんが、映画を観たあと刑事の気持ちにシンクロしてズシッとした重いものが残る作品です。まだ上映中の劇場もあります。是非!

追伸:ソン・ガンホ刑事の「跳び蹴り」だけでも、この作品を観る価値があります!!