キル/ビル vol2

at 2004 04/19 01:41

こんな映画を観た。

九州で最初の試写会をみせてもらいました。
とにかく前作のノリとは違った作品になってます。前作のよううなチャンバラアクションを期待していくと、思いっきりはずすことになりますので、ご注意下さい。「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」のテイストに近いので、むしろタランティーノ本来の持ち味に近い作りになっていると思います。
もちろんアクション・シーンもいくつかありますが、どちらかと言うとセリフの面白さや役者の演技を楽しむタイプの映画です。マイケル・マドセン演じるバドの困ったような赤ん坊のような笑顔が素敵でした。(師範代と同じダメ男の役だからシンクロしたか?)

前作が「東映ヤクザ映画」に捧げられたオマージュ満載だったように、今回は「香港映画」「マカロニ・ウエスタン」へのタランティーノ・リスペクトがたっぷりです。(ただ予想したより「マカロニ」風味は少なかったように思います。香港映画の忠実な再現ぶりには驚嘆。あの荒れた粒子の安い画面まで再現していたのに驚愕!)

前作が「さそり」vs「修羅雪姫」の構図を持っていたように、今回は「子連れ狼」から元ネタをいただいております。

結論としてやはり「キルビル」は1本の映画として観るべきものだと思います。世界中の娯楽映画の見本市的な作品をタランティーノは目指していたはず。作品を2本に分けたことで、テンションのまったく違う2作品が完成してしまいました。続けてみればいいのだけれど、この違いに乗りきれない観客もいると思われます。幻の6時間バージョンで一気に観てみたい!今年年末に公開が噂されている完全版が待たれます!
実際、撮影されたが、カットされたシーンもかなりあるようです。(パイ・メイとビルのガチンコ対決は撮影されているはず、さらには予告篇で刀を振り回すブラザーは1カットたりとも登場してこない!)

師範代的な見どころポイントを1つ、2つ。
香港修行シーンのパイ・メイへのズームショット。わざとフレームを失敗したようなズームショットまで香港テイストにしていたのには頭が下がります。
今回も、女優を綺麗に撮っているのはオタク監督の面目躍如。ダリル・ハンナの美しい毒に師範代やられました。もちろんユマ姐さんも綺麗です。