アイデン&ティティ

at 2003 10/12 18:06
アイデン & ティティ [DVD]
こんな映画を観た。

東京では12月に渋谷シネセゾンで公開ですが、いち早く試写で見せていただきました。(Denkikanさんありがとう!)

みうらじゅんの原作を、宮藤官九郎が脚本化、田口トモロヲが監督デビュー、さらに編集は「あらわし手賛歌」の上野総一さんが担当するという師範代的には文句のない布陣による映画化です。

師範代にとってこの映画は「痛い映画」です。登場人物の心の動きが、グイグイとこっちの気持ちに迫ってきて、観ていて「他人事」として見られないくらいにシンクロしてしまいました。心が痛いのです。
「脚本の構成が・・・・・」とか「演技が・・・・・」とか「撮影が・・・・・」とか「編集が・・・・・」とか、映画的に冷静な分析などできるはずがありません。「面白い映画」や「いい映画」という分類はできないのです。

とにかくスタッフの仕事ぶりが「真摯」です。最近の日本映画が「逃げること」ばかり上手になっている中で、不器用かもしれませんが「逃げない映画作り」をしている「アイデン&ティティ組」の皆さんには頭が下がります。

世の中には「初監督作品」が数多くある訳ですが、この作品のように結晶する例は少ないと思います。同じスタッフで次回作を作ったとしてもこの「痛み」「真摯さ」は再現できないでしょう。
山のように映画を観ている師範代も、こういう映画には数年に1本しか出会いません。あえて言うなら「エドウッド」以来の体験かもしれません。いまんとこ今年の「師範代ベスト1」有力候補作品!!

役者の素晴らしさ(麻生久美子の最高傑作と断言してしまいましょう!)やエンドタイトルの音楽の入り方など、書きたいことはたくさんありますが、公開までもうしばらくあるので、今回はこのへんで・・・・・・・。

アイデン&ティティ」オフィシャルサイトは以下のアドレスです。
http://www.IDEN-TITY.com/