《猿の惑星》隠された真実

at 2001 09/10 19:09
こんな本を読んだ。

エリック・グリーン著、扶桑社の新刊。
旧「猿の惑星」シリーズ全5作を詳細に分析、製作当時の時代背景を交えながら、シリーズの裏に隠された政治的な意味合いを鋭く考察してあります。

この本を読むと、アメリカ人がSFが好きな理由がよく分かります。「猿の惑星」にしろ、「スタートレック」にしろ、「トワイライトゾーン」にしろ、「スターウォーズ」にしろ、画面に出てきている表現の裏には、「人種のモザイク」であるアメリカ合衆国の抱えている問題が潜んでいるのです。SF作品の中では、「人種」という言葉の代わりに、「猿」や「異星人」が使われているに過ぎません。

さらには、「猿の惑星」シリーズには、当時のアメリカが抱えていた「ベトナム戦争」「核への恐怖」「政治への不信」などのテーマが深く織り込まれているのもわかりました。

日本でも、こういうアプローチの本があれば面白いと思うのですが、今のところ切通理作ウルトラマン論とかぐらいでしょうか?