相米慎二監督逝く。

at 2001 09/10 14:40

訃報です。
数多くの傑作で知られる相米慎二監督が9月9日午後4時すぎ、肺がんのため入院先の病院で亡くなりました。53歳でした。

寺山修司監督や長谷川和彦監督の「青春の殺人者」「太陽を盗んだ男」にチーフ助監督として参加後、「翔んだカップル」で監督デビュー。
同じく薬師丸ひろ子主演の「セーラー服と機関銃」が大ヒット。

映像としては、独特の長回しが特徴ですが、女優を鍛える名人でもありました。
前述の薬師丸はもちろん、「ションベンライダー」「台風クラブ」では工藤夕貴を、「雪の断章」では斉藤由貴を、「東京上空いらっしゃいませ」では牧瀬里穂を、一人前の「女優」にした実績は讃えられるべきでしょう。(今では、邦画を代表する男優・永瀬正敏も「ションベンライダー」がデビューです。)

「映像派」の監督が多い今の日本映画界の中で、きちんと役者の演技を引き出すことができる「演出派」の監督だったように思います。
独特の長回しは、役者の演技を分断させない相米監督のテクニックでした。
まだまだ数多くの傑作が撮れる監督だっただけに残念です。