HINOKIO

eigadojo2005-06-03

こんな映画を観た。

これまで「河童」「ACRI」「FINAL FANTAGY」などVFXディレクターをつとめた秋山貴彦のメジャー・デビュー監督作。
この映画に登場する「HINOKIO」は、引きこもりの少年の代理として学校に通う遠隔操作ロボット。ガンダムにおける「モビルスーツ」のコンセプトをさらに日常化したともいえるマシーンです。
ビジュアル的な見せ場は多く、「日常にロボットがいる生活」というのはこんな感じかな・・・・と思わせるリアリティが随所に登場します。
世代的に秋山監督と師範代は同じぐらいだと思います。影響を受けたのは間違いなく「小さな恋のメロディ」!!(リコーダーと初恋というのは王道の組み合わせです。)
引きこもり少年サトルと暴れん坊ジュンの友情(?)の描き方が好感持てます。
「エイガドージョー・ドットコム」の盟友・「おやびん」こと上野聡一さんの編集もいい仕事です。要チェック!

http://www.hinokio-movie.com/








以下、ネタばれあり!!!









面白い映画だということは間違いないのですが、いくつか気になる点もありました。
ジュブナイル映画」としての限界はあったのだろうけど、「HINOKIO」の正体が本当に戦闘ロボットだったのか?
幼い頃いたずらされたというジュンの過去は?
大きな魚はどうなった?
ゲームと現実がリンクするって何故?
などなど、提示された伏線が回収されないままだったのは残念!
これらは脚本の段階でもっと詰めておく必要があった部分。
ビジュアルイメージの創造の前に詰めなければならない作業だったのでは?
最近の日本の若手監督は、「脚本を練る」という作業をあまりにおろそかにしている気がします。韓国映画の粘りを見習うべきかも・・・・・・

それと「HINOKIO」というタイトルは一考の余地あったのでは?
ピノキオ」のパチもんという感じのタイトルはどうなんだろう・・・・・・。どうせパチもんなタイトルなら「小さな恋のロボット」でもよかったんじゃ・・・・・・・。
せっかくの秀作が、このタイトルのせいで敬遠されそうで心配です。