ムーンライト・マイル

こんな映画を観た。

「シティ・オブ・エンジェル」のブラッド・シルバーリングが監督だと聞いていたので、「またぬるい映画なんだろう？」と思っていたら、意外な裏切りでした。よい！この映画はよい。役者も演出もシナリオもよい。何故アカデミーレースでまったくひっかからなかったのか？・・・・・・・と思っていたら、この映画はディズニー傘下のタッチストーン製作の映画でした。今年のディズニー・グループは、「ギャング・オブ・ニューヨーク」と「シカゴ」に選挙運動を集中したので、この作品が涙を飲む結果となったものと思われます。

ストーリーは、突然、娘を失った両親とその婚約者が、その悲しみを乗り越えてゆく姿を丹念な描写で見せてゆきます。
若手実力派「遠い空の向こうに」「ドニー・ダーコ」のジェイク・ギレンホールと、ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドン、ホリー・ハンターが共演。すべての役者に「見せ場」が用意されており、ありありとアカデミー狙いだったことが分かります。

この作品は、シルバーリング監督の恋人だったＴＶ女優レベッカ・シェイファーが熱狂的なファンによって殺害された事件を基にしてつくられています。自分自身の物語だったからこそ正直に作られた作品。作品の誠実なまなざしはそのあたりから来ているのかもしれません。

ラストシーンがとてもよく気持ちよく劇場をでることができました。オススメです。