映画ドラえもん のび太とふしぎ風使い

at 2003 03/06 01:47

こんな映画を観た。

これまで長編1本+短編2本という組み合わせの3本立て興行だった「春のドラえもん興行」が、今年は長編ドラえもん(約1時間20分)と劇場版パーマン(約30分)の2本立てとなります。
本数を減らした分、1本あたりのクオリティをあげるという方向性で製作されているようで、とにかくこれまでのドラえもんとはスタッフの意気込みが違う感じがしました。
ここ数年の「クレヨンしんちゃん」の完成度の高さに対して、劇場版アニメの本家たるドラえもんスタッフが、危機感を持って臨んだ結果なのかもしれません。(「しんちゃん」も「ドラえもん」も製作はシンエイ動画という同じ会社です。)

のび太とふしぎ風使い」は、長編シリーズでも屈指の完成度の高さです。多分、原作者・藤子F不二雄が亡くなってから作られた「長編ドラえもん」では、最高の完成度だと思われます。
(師範代は映画版ドラえもん24作すべて観ております。ちょっと自慢!)
風を自由に操る「風の民」が登場したりして、かなり「ジブリ」を意識した内容ですが、ドラえもんの世界に上手にまとめ上げています。

さらに同時上映の「パパパ・ザ・ムービー・パーマン」がすごい!
もともとここ数年の「同時上映・短編感動版ドラえもん」の作画クオリティは高度なものだったですが、今回のこのパーマンのレベルは尋常じゃないです。
「ディズニーでもここまでやるかぁ?」というぐらいの凝りようです。
特に木漏れ日の中で初めてバードマンと出会うシーンの光の処理の仕方!
「なぜにパーマンでそこまでのクオリティを追求する!」と驚きの声を出すこと必至。CGも多用されていますが画面上浮くことなく巧く使われています。
パーマンの基本設定を説明しつつ、わずか30分の上映時間で「正義の味方としての苦悩」まで描いてしまう内容の充実ぶりも立派!
同じテーマで作られた昨年の傑作アニメ「パワーパフガールズ・ザ・ムービー」に対する日本アニメからの回答とでも言うべき傑作です。

とにかくこの2本立ては、並みの映画のレベルを軽く越えるハイレベルな娯楽作品となっております。
3月8日、全国東宝系で公開です。門下生諸君必見!