怪奇大作戦大全
こんな本を読んだ。
作品に愛情を注ぎまくりの双葉社の特撮解説本「大全」シリーズ最新作は、初の円谷特撮もの。「ウルトラマン」じゃなく「怪奇大作戦」というところが、いかにもこのシリーズらしいです。
1968年に放送され、多くの小学生にトラウマを残した伝説の特撮番組が「怪奇大作戦」。当時の人気番組だった「スパイ大作戦」(ご存じ「ミッションインポッシブル」のオリジナルね)と「ゲゲゲの鬼太郎」に代表される「妖怪・怪奇ブーム」の融合をめざしたのがこの「怪奇大作戦」。早すぎた日本版「Xファイル」とも言える番組です。
マニアの間では、実相寺昭雄監督の「京都買います」「呪いの壺」「恐怖の電話」などが傑作として評価が高いのですが、この本では、そのあたりを踏まえつつも、番組企画のメインストリームをつくっていった円谷一監督や飯島敏広監督にスポットを当てており、かなり充実の内容。
シリーズ構成をした金城哲夫(円谷プロ)とプロデューサーの橋本洋二(TBS)の番組コンセプトに関する真剣なやりとりが、いかにこの番組の内容を深めていったのかがよく分かる本です。(テレビのシナリオなどを書いてみたいという人には一読をお勧めします。)
未発表エピソードのストーリーなども掲載されていて、定価2000円は安いと思うぞ!