ＥＬＥＣＴＲＩＣ ＤＲＡＧＯＮ ８００００Ｖ

at 2001 09/17 06:38

こんな映画を観た。

石井聰亙監督、浅野忠信・永瀬正敏主演の「五条霊戦記」のトリオによる最新作。プロデュースも同じく仙頭武則。

実は「五条」より前に撮影は終わっていたという実験映画的な色彩が強い作品ですが、意気込みだけで映画が空回りしていた「五条」より、石井聰亙らしさ全開のパワフルな作品に仕上がっています。

電気と感応し爬虫類と心を通わせる男・竜眼寺盛尊（浅野）と電気を修理し怪電波をキャッチする謎の男・雷電仏像の対決を描くというストーリー・・・・・・というよりほとんど二人が叫んで対決しているような印象の映画。（傑作「狂い咲きサンダーロード」や「爆裂都市」を思わせる疾走感！！）
アメリカでポスト・プロダクションを行ったという「音」へのこだわりは、すばらしく、是非とも音響のいい劇場で楽しんでもらいたい作品です。

そもそも石井聰亙の魅力というのは、こういう混沌のパワーというものだったはずですが、ここ数年は違ったアプローチの作品が多く、はっきりいって失敗作が多かったように思います。「五条」は期待が大きかっただけに残念でした。

「原点回帰」とも言える今回の作品ですが、石井監督が、これからまたやり直すつもりなのか、失敗続きのストーリーを中心に据えた作品に戻るのか、次回作に注目したいです。