A.I.

A.I. [DVD]
at 2001 07/15 02:50

こんな映画を観た。
スタンリー・キューブリックが遺したプロジェクトを引き継いで完成させたのは、史上最も商業的に成功した映画監督スティーブン・スピルバーグ・・・・・・などとというバックグラウンドは、あえて言わずとも映画道場門下生諸君はとっくにご存じのことでしょう。
6月30日の先行ナイトで観たのですが、レビューを書くのがずいぶん遅くなってしまいました。スンマセン。


「愛」をプログラムされたロボット・デイビットが、母に愛されるため、数千年の旅をする・・・・・・というストーリー。
世間の評価は、「キューブリックが撮ったらまた別の物語になったろう。」「最後に泣かせるのは、キューブリックのタッチではなく、スピルバーグのものだ!」というものが多いようです。
大監督の未完成プロジェクトには、いつもそういう話がつきまといます。
「黒澤版トラトラトラ」「リドリー・スコット砂の惑星」「ヤン・デ・ポン版GADZILLA」「ティム・バートン版スーパーマン」・・・・・・。映画ファンの見果てぬ夢です。
さて、この映画ですが、ちまたで言われてるような「SF」「人工知能」「未来」とかいうキーワードにまどわされてはいけません。
キューブリックスピルバーグの発想の原点は、人間の背負わされた言わば「業」としての「愛」を描くことだったと思われます。ロボットなんか単なる設定です。
「愛」というとキレイに聞こえるけれど、それに対してキューブリックは、かなり懐疑的だったのではないかな?
「人間が『愛』と呼んでいる概念なんて、こんなにも不確かで、傲慢なもの」と映画は、語っている気がします。
スピルバーグは、商品としての「映画」を心得ている監督だから、そのへんの描写を巧妙にコーティングして演出しております。これはかなり巧妙!!
あのラストシーンは、かなり絶望的なものじゃなかろうか?
そういう視点で観ると、2度目に観るときは、かなり印象違う映画だと思うよ。「シックス・センス」みたいに・・・・。
あっ、それからオスメント君のもったいぶった演技はいただけませんね。
なんであんな小芝居をみんなほめるかなぁ・・・・・。無名の子役を抜擢するべきだったと思うね!