週刊文春きいちご賞

 アメリカの最低映画を決めるラジー賞のノミネーションが先日発表されたが、同賞の日本版とも言える文春主催の「きいちご賞」(週刊文春1月27日号にて掲載)も発表された。

 本賞は映画記者、評論家、20人の投票により決定される。圧倒的な支持のもとワースト1位に輝いた作品は、伊崎央登主演の『デビルマン』。受賞理由は「出演者があまりにもダイコン」と言う厳しいコメントが寄せられた。2位は宇多田ヒカルの夫の紀里谷和明が監督したことで話題となった『CASSHERN』。この作品に対しては「宇多田ヒカルが歌う曲のプロモーション映画」とバッサリ。世界の宮崎アニメ最新作として記録的な大ヒットとなり、興行的にも成功している『ハウルの動く城』ですら「声優もストーリーも絵もすべてダメ」と、怖いものなしの批評が続く。

 制作者側からすれば聞くに堪えない批評ばかりだが、ここまでズバリ辛口意見が掲載されると読者には新鮮な印象を与える。常に社会の問題点、矛盾点を見逃さない姿勢の週刊文春ならではの企画だ。
(FLiX)

アメリカのラズベリー賞の面白いとこは、映画ファンがお遊びでやっている洒落っ気が感じられるところ。
この文春の賞は、まず「きいちご賞」というまんま「ラズベリー賞」のパクリのネーミングにセンスが感じられません。こういうダサさが一番格好悪いよな!

デビルマン」が、2004年最悪映画だということには、師範代も同意見ですが、どうも他の作品の選出理由がダサすぎます。
同郷だから紀里谷和明監督を援護する訳じゃないけど、「CASSHERN」のビジュアルセンスには「なにか新しいもの」があった気がします。あの予算であれだけのビジュアルが他の監督に実現できたろうか?「デビルマン」を見てしまった後では、なおさら「CASSHERN」には価値があるような気がするのです。
確かに「CASSHERN」を大傑作と呼ぶのは気がひけるけど、その作品の中の「なにか新しいもの」を発見するのが評論家の仕事じゃないのかな?
自分がわからないものをすぐに「最悪」と結論づけるのは、ダサいし、素人だし、洒落っ気がないと思う師範代であります。

ネットで検索したところによると「週刊文春」の2004年最低映画ワースト10は下記の通り。
1位 デビルマン
2位 CASSHERN
3位 海猫
4位 ハウルの動く城
5位 ヴィレッジ
6位 ゴジラ Final Wars
7位 サンダーバード
8位 2046
   キューティーハニー
   リディック
   (8位は同率)
なんか退屈なワーストです。
個人的には、「血と骨」のほうがよほど退屈な映画だったと思うけどな・・・・・・。
BBSにもちょっと書きましたが、「血と骨」をどの映画賞でも持ち上げているのが、どうも胡散臭い!
「映画は絵!」という部分を重要視する師範代としは、「血と骨」のペラペラのセットが許せない。
たけしが、家をぶっ壊すシーンは、どうもコントぽい構図に笑ってしまいました。どこからかブラックデビルが出てきそうな「やすさ」だったぞ!
殺人の追憶」の映像を観て出直してほしいもんです。