映画か?クレしんか?

at 2002 04/23 12:58

新作「クレヨンしんちゃん」に関する論争が起きております。

(以下、今回の内容に触れますので、未見の方は読まないほうがよいかと・・・・・・)

今回の「クレしん」に関しては、どこまでを「クレしん」の世界観として容認するかという点で、人によって判断が違ってくると思われます。
唐沢俊一のサイト(ウラモノ日記4月15日http://member.nifty.ne.jp/uramono/dialy/diary.html)にもありましたが、「しんちゃんの成長」を描いてしまうというクライマックス部分の是非、そこがこの作品の強さでもあり、弱点でもあると言えるでしょう。
もちろん「クレしん映画」では、「ヘンダーランド」「ブタのヒズメ」などでも、しんちゃんの成長ともとれる描写をしていましたが、今回は「人の死」というこれまでで最も大きな試練を与えています。
毎回がリセットされて日常に戻っていく「サザエさん」的世界観で、これは反則技とも言える手法ですが、「それもあり!」と思わせる作者の力量も感じました。

映画ファンとしては、「この映画あり!」。
クレしんファンとしては「そこまでやるかぁ!」というのが正直な感想です。

例えば、ルパン3世の熱烈なファンにとって「カリオストロの城」は、作品としては認めるが、「あれはルパンじゃない!」そうです。
確かにオリジナルのルパンだったらしないような反則技を、あの映画では数多くやっています。だからこそ映画としては、抜群に面白くなっているのも事実なのですが・・・・・・。(「未来少年コナン」「カリオストロの城」の作画監督大塚康生の著書「作画汗まみれ」によると、当時、宮崎駿は、ルパン3世にまったく愛情を感じていなかったらしい。だからこそ割り切った作劇ができたんでしょう。)
前回の「オトナ帝国」が、ギリギリで「クレしん」的世界観に留まったのに対し、今回の「戦国大合戦」は、「クレしん」のキャラを借りた別の映画とも言えそうです。